2010年03月08日

長周期地震動

2010年3月7日(日)NHKスペシャル MEGAQUAKE 巨大地震 第3回「長周期地震動」
 
 1985年9月19日午前7時、メキシコシティを襲った巨大地震は、都心のビル1,000棟以上を破壊し、犠牲者約1万人に上る大災害をもたらした。規模はM8.1と巨大だが、震源は西400キロも離れた太平洋沿岸だった。このとき、都心部で奇妙な地震の揺れが記録された。揺れが3分余りも続いたのである。阪神大震災が約15秒程度だったのに比べ、格段に長いことが分かる。
 周期も、阪神大震災が1秒だったのに対して、メキシコ地震は2秒だった。つまりゆっくりした揺れがかなりの長時間続いたことになる。これが、長周期地震動だ。
 さらに、被害は14階建て前後のビルに集中しているという奇妙な事実も明らかとなった。
 その原因は、建物の高さと地震の周期の密接な関係にあった。模型実験によると、短周期では低い建物が激しく揺れるのに対し、長周期では逆になる。固有振動数に近い刺激に対して自ら揺れを増幅する共振現象が、周期の長短により異なる種類の建物に発生したのである。つまり、2秒の周期に14階建てが共振したのである。
 では、なぜ長周期地震動が起こったのか。その原因は、軟弱な地盤にある。メキシコシティは、巨大な湖を埋め立てて(茶色部分)建設されたため、地盤が軟弱となった。それが地震のエネルギーを長周期地震動に変化させたのである。
 実は、日本でも昭和19年の東南海地震(M7.9)のとき、東京で長周期地震動が記録されていることが分かった。大きな揺れが2分ほど続いた後、ゆったりとした揺れが10分以上続いたのである。そして、周期は、3、4秒前後と、10秒前後に集中していた。
 長周期地震動が起きた理由としては、関東平野の地下に軟弱な地盤があるからだと考えられる。さらに、さらに、太平洋沿岸の震源域の上には、付加体という軟弱な海底地盤が横たわっている。すなわち、首都圏は、長周期地震動が起きやすい環境にあるといえる。
 実は、霞ヶ関ビルディング(昭和43年完成)では、長周期地震動の対策が取り入れられていた。壁の一部に溝をつけたスリット壁と呼ばれるもので、ここから徐々に亀裂が広がることにより、共振のエネルギーを吸収しようというものである。しかし、建設費節約のため普及しなかったという。
 全国の超高層ビルは、約2,500棟あるという。最近、長周期地震動対策として注目されているのが制震ダンパー。筒の内部の油が揺れを吸収する仕組みという。これを建物に複数取り付け、揺れを最小限に抑えようというのだという。最近の超高層ビルには、この装置が取り付けられるようになったが、既存のビルについては、あまり対策は進んでいないという。
 以上が、番組の大まかな内容です。具体的データを駆使して非常に説得力のある番組です。
 ただ、メキシコ地震のはるか以前に長周期地震動の問題は分かっていたのではないかという疑問が生じます。霞ヶ関ビルディング(昭和43年完成)では、長周期地震動の対策が取り入れられていた、というのですから。もっとも、低層マンションに暮らしている一般庶民ににとっては、長周期地震動はあまり影響はないのかもしれません。ゆっくりした長い揺れには強そうですから。
 また、首都圏は長周期地震動が発生しやすいのに、こんなに超高層ビルを林立させていいんだろうか、という疑問も生じました。まさに、砂上の楼閣といった感じですね。そもそも、国造りの根本から間違っていたのではないか、という気がします。極端な一極集中の生み出した弊害といえるのではないでしょうか。
 ところで、番組内ドラマの出演者は「中央防災会議による「巨大地震」の被害想定総額は最悪200兆円、ただ、その10分の1、20兆円の対策費をかければ、被害を半分以下に食い止めることができるという。10年かけて対策を講じたとして国民1人頭、1日43円。高いと見るか安いと見るかはあなたたち次第です」と訴えています。
 既存のビルに制震ダンパーを設置する費用の試算が、番組で24億円と紹介されていたから、全国の超高層ビルの長周期地震動対策費を、そっくり税金で面倒見ようという意味なんでしょうか。そもそも、防災対策費は建設費に含まれているものでしょう。
 番組では、超高層ビル以外の、長周期地震動の想定被害についても、触れていたから、そちらの方の対策費の意味かなとも思いますが……。
posted by maro at 14:08| Comment(0) | HNKスペシャル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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