2010年04月13日

虫歯は削らなくちゃダメ?(7)

 前回同様、番組紹介から、少し横道にそれますが、左上顎第二大臼歯の治療の話を続けます。

●コンポジットレジンにしてみたものの
 D歯科で、左上顎第二大臼歯を、治療を断られた後、コンポジットレジンで治療してくれそうな歯科医を探したのですが、今度はあらかじめ、電話でこちらの希望を明確に伝えることにしました。そして、何箇所か電話して、E歯科が希望を聞いてくれそうだったので、診療を頼むことにしました。
 ただ、E歯科の先生は、コンポジットレジンにはあまり、詳しくないようで、二次う蝕の問題にもあまり関心がない様子でした。つまり、「金属よりも白いコンポジットレジンの方が患者が喜ぶだろう」といった程度の認識しかないようでした。そして、金属の代わりにコンポジットレジンの詰め物を、歯科技工士に作ってもらい、それをセメントでくっ付けるというものでした。
 しかし、それでは、二次う蝕予防のため、コンポジットレジンにする意味がありません。それで、MIの考えに基づくコンポジットレジン充填のコピーを見せて説明しようとしたのですが、不愉快そうな表情で、コピーをみる素振りもありませんでした。E歯科での一件の懲りていたので、説明するのを止めました。そして、コンポジットレジンではなく、金属のクラウンでの治療にして欲しいとの希望だけを伝えました。
 それでも、「コンポジットレジンにはフッ素が混ぜてあるので効果がある」と勧められたので、結局、コンポジットレジンで治療することにしました。
 歯チャンネル88で調べてみると、フッ素徐放性レジンというものがあるということが分かりました。ただ、「理論上虫歯予防/歯質強化に必要な有効フッ素濃度を維持し続けられる(リリース&リチャージ)のを実現した、とうたっているのは、日本の松風だけです」ということでした。
 その後、4ヶ月ほどして、コンポジットレジンの詰め物が欠けたので、E歯科で修復をお願いしたところ、「だから、コンポジットレジンはダメだといったのに、無理にコンポジットレジンにしてくれというから、こんなことになるんだ」といわれ、あっけにとられました。フッ素徐放性レジンを使ったのか、尋ねたのですが、「今のレジンはすべてフッ素が含まれている」との説明だけでした。
 それでも、修復をしてくれましたが、レジンの取り扱い経験は、ほとんどないようで、恐ろしく手間取ってました。治療が終わって、保険証を出したら、「保険は使えない。1000円にしておくから保険を使ったのと同じぐらいでしょう」ということでした。

●10年の実績
 それから、程なくして、今度は右下顎小臼歯の詰め物が欠けました。てっきり、C歯科で治療した右下顎小臼歯のレジン充填(歯茎が化膿したトラブルのあった治療)が欠けたものと思い、再び歯科医を探しました。そして、レジン充填を引き受けてもいいと返事のあったF歯科で、診察を受けることにしました。
 F歯科では、実は10年前にも、診察を受けていたのですが、すっかり忘れてました。F歯科で、そのことを指摘されてようやく思い出しました。
 10年前の治療は、左下顎第一大臼歯の根管治療とクラウン治療です。
 この歯は、その前に、会社の診療所で治療していたものですが、かなり問題のある治療でした。というのは、詰め物が取れたので、詰め直してもらおうと治療を頼んだら、いきなり神経を抜かれてしまったのです。その歯科医は恐ろしく技術が未熟で、虫歯の部分を削ろうとして、健康な部分を削ってしまうものだから、やたらと痛く治療が進みません。そこで、痛くないようにするため、神経を取ってしまえという、恐ろしく単純で乱暴は発想で、神経を抜かれてしまったのです。その頃は、ライセンスがあれば、それなりの治療をしてもらえるもの信じていたので、なすがままに任せてました。
 それから、数ヶ月して、治療した歯の根っこが痛み始め、ついに一睡もできないほどの痛みとなったので、F歯科で見てもらったところ、根管が化膿していて抜くほかないとのことでした。それを、何とかお願いして治療してもらうことにしました。
 どうやら、診療所の歯科医は神経だけ取って、後は何の処置もしなかったようです。
 それから10年経ってますが、クラウンは取れることなく、歯もしっかりと残っています。
 実は、その後、程なくして左下顎第二大臼歯(問題の歯の隣の歯)の詰め物が取れたので、懲りもせずに会社の診療所で治療を受けたのですが、痛くて治療が進まないので、また神経を殺す薬を詰められました。さすがに、今度は危険を感じて、すぐに自分で薬を引っ剥がして、別の歯科医に診療を頼みました。
 そこでは、「神経は取らない方がいいでしょう」といって、さっさと虫歯の部分を削って、治療が完了しました。麻酔を使ったわけでもないのに、あっけないくらい痛みはありませんでした。この歯も、それから10年経っていますが、何ともありません。

●希望通りにレジン充填
 話がそれてしまったので、本筋に戻ります。
 今回欠けたのは、詰め物ではなく、歯の一部でした。B歯科で2006年10月に治療した部分が、金属のインレーを詰めるために削って脆くなっていたようです。
 それでインレーを外して詰め替えることになったのですが、F歯科の担当の先生は、コンポジットレジンが得意なようで、無駄な議論をするまでもなく、レジン充填で治療することになりました。これまでのレジン充填とは異なり、工程は結構複雑でしたが、手際よく治療は終了しました。レジン充填は、歯科医の腕の差がでるのかなと思います。
 その後、E歯科で修復した部分が取れてしまいました。結局、フッ素徐放性レジンか定かではなく、耐久性に劣るものを詰めておくことに不安もあったので、「金属のクラウンでやり直して欲しい」とF歯科にお願いしたのですが、担当の先生は「コンポジットレジンは金属ほど固くないので、かみ合わせの歯に負担にならないという利点もあるので様子を見たらどうでしょうか」ということでした。そして、欠けた部分を少し削って形を整えて治療は終了しました。

●からくりが判明
 ところで、前にも書きましたが、歯チャンネル88の「硬質レジンジャケット冠のデメリット」の項目に、「保険の適応範囲は前歯・犬歯のみで、奥歯には適応されない。(ただし、歯科医師が噛み合わせの力に耐えうると判断した場合に限り小臼歯まで可能) 」とあります。
 ところが、B歯科では保険を使ってコンポジットレジンで奥歯の治療をしています。これはどういうことでしょうか。
 さらに、調べてみると、「補綴物維持管理料」という項目が見つかりました。(歯チャンネル88)「歯科医院が補綴物維持管理料を算定している場合には、2年以内に治療をしたところが欠けたり、二次的に虫歯になってしまったり、かぶせた歯が取れてしまったりした場合には、これらの治療は基本的に無料(歯科医院側が治療費を負担。ただし、かぶせ物を再装着する際のセメント代数十円は患者負担)で対処してもらえます。」というものです。さらに、「補綴物維持管理料はクラウンとブリッジの場合のみ適応となり、レジンやインレーにはありません。」とあります。
 レジンで治療したはずのB歯科の領収書には、「補綴物維持管理料」が記載されています。これは、どういうことでしょうか。
 気になってB歯科に電話すると、「本来コンポジットレジンは保険が使えないところを、金属で治療したことにして保険を請求しているんですよ」と、特別な計らいをしてやったのに何の不満があるんだという口ぶりです。
 そこで、「補綴物維持管理料」のことを持ち出して、「修復費1000円はそもそも払わなくても良かったのではないですか」というと、言葉に詰まって、「金は返します」という申し出がありました。それで、「金を返せばいいという問題ではないでしょう」といって電話を切りました。
 さすがに、これは放置できないと思い、厚生労働省の地域の厚生局の指導監査課に連絡しました。
 ところで、虫歯は削らなくちゃダメ?(4)で提起した「B歯科がなぜ鎮痛剤の処方だけですませようとしたのか」という疑問の解答も、この「補綴物維持管理料」にあるのではないかと思います。治療から1か月もして痛みが出始めるというのは、内部に何らかの問題が生じていることは容易に推測できるはずです。にもかかわらず何の処置も取らなかったのは、無料で治療をやり直すのが嫌だったからではないでしょうか。
 なお、クラウンの代わりに、レジン充填(詰め物ではなく、レジンをその場で固める方法)で治療することも可能なようです。技術的には相当難しく、保険は使えませんが。実例を示した動画はこちらに。(大きすぎる虫歯 けど神経はとらない)。自費だと結構高いんでしょうね。

●「患者力」が大切
 以上、長々と書いてきましたが、結局、コンポジットレジンが二次う蝕予防に本当に効果的かは、よく分かりません。現に、筆者の下顎第一大臼歯と下顎第二大臼歯は、保険の金属クラウンでも10年持っていますから。案外、歯科技工士の腕の差によるのではないかなとも思います。
 結論としては、
 (1)再石灰化を十分に行わせるように、間食は控える 
 (2)寝る前に、プラークはしっかり取っておく
 (3)歯は安易に削らない。インレーだったらレジン充填で
 (4)クラウンが持つかどうかは、運次第(?)
 といったところでしょうか。いずれにしても、患者自身がしっかりと知識を身につけることが一番大事だと思います。歯チャンネル88でも、「良い治療を受けようと思うのであれば、患者さん自身が『患者力』を身に付け、歯医者さんを慎重に見極めることが必要です。」と述べています。
 虫歯の話は、今回で終了です。次回からは、番組紹介のテーマに戻ります。
posted by maro at 23:54| Comment(24) | ためしてガッテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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